21日土曜日。
リンドバーグ翼の日。
チャールズ・リンドバーグが、ニューヨークからパリまで無着陸で、約33時間かけて飛んだ日である。
食事はどうにかなるにしても、33時間トイレは我慢できる自信はない。
というのは、どうでもいい話。
暑いし、急に母を会社に迎えに行く事になるし、予定は詰まってるし、暑いし・・・。
何かとパタパタする中、夜、Gからメールが。
”明日でも、リサイクルショップに行って夏物見てくるか〜?何枚か買ってやるぞ〜!”
夏物はわかるけど、リサイクルショップですか・・・( ´Д`)ノ
古着屋ではなく、リサイクルショップですか・・・( ´Д`)ノ
別に欲しい服もなく、夏物にもリサイクルショップにも特に興味がないので、とりあえず母にも聞いてみた。
”リサイクルショップで欲しい服などありますか?”と。
母は早かった。
”スカート。膝位の、マーメイドかフレア。
何でも合わせられる上の服。涼しそうな服。
カーディガン羽織ればいいだけのワンピース(ジャンパースカート)”
何か、いっぱいある・・・。
深夜に帰宅した私は、パソコンを開いて調べた。
『ジャンパースカート とは?』
何か、定義が曖昧で難しい・・・。
そして翌、日曜日。
私が猛暑の中リサイクルショップで母のリクエスト服を探してる間に、母は少しバイクで走ってくる事に。
昼前に母から
”私は1時くらいに戻れそうです”との連絡。
同じくリサイクルショップでフラフラしてた私も1時くらいには戻れそうな。
1時20分頃に帰宅した私は、母がまだ戻ってきていないので、車内でフワッと考え事をしながら待つ。
待つ。
待つ・・・。
30分近く経った頃、ようやく母が戻ってきた。
「西から帰ってきたら道わからなくなったぁー(*_*;)
行きはいつもの道なのに、帰りは同じ道通れないわっ(´;ω;`)」
いやいや。
道は消えないし、少なくとも数時間で変わるモノでは無い。
そんなハプニング的な日常が繰り広げられ、お腹が空いたといつものランチにGo.
2時。
母にとっては遅めランチ。
8月に、私たちは大掛かりな遊び要素240%の旅行を予定している。
その旅行の下準備が大分整ってきたので、というか整えて来たので、母にも知っておいて欲しい事満載。
で、母が
「ペンある(*´ω`*)?」
と。
ペンはあるけど、何だか英語で『ペンを貸して下さい』と言おうとしているので、しばし無言で待つ。
さらに、しばらく無言で待つ。
そして数分後。
「アーユーペン(*´ω`*)?」
・・・・・・。
イエス!I’m pen!
道のりは、三途の川よりも長い。
そのペンの返却時も、まだ母はめげない。
「アーユー・・・
ユーハブ・・・
ハブユー・・・」
長考の末の一言。
「ペンを貸してくれてありがとうっ(*´ω`*)!」
英訳を完全に諦めた。
「どういたしまして!」
それからーのー。
いつものカラオケ。
ナゼか今日の母は、一曲歌うごとに確認してくる。
「良くなったよねっ(*´∀`*)??」
「あとちょっとだよねっ(*´∀`*)??」
「段々よくなってきたよねっ(*´∀`*)??」
ナゼかとてつもなくしつこい。
ナゼか。
「んー。そうだね」
と言おうとしたら、すかさず合の手が入った。
「あーっ(;´Д`)!
いま鼻息でフンッて言った(;´Д`)!
何それっ(;´Д`)!何でふんなのっ(*`д´*)?」
常々感じるが、母とは面倒くさい生物なのである。
むしろ『母』というニックネームだと思わねばならない。
そんな面倒なカラオケを終え、いつも通り「どうするー?」になり。
「久しぶりだから松田聖子行くかぁ」
という事で、松田聖子にて。
ここにはコレを食べる為に行ってると言っても過言では無い。
鉄板の『プロボローネチーズのステーキ』
「ぷろぼろーねだよねっ(*´ω`*)!覚えたどぇっ(*´∀`*)!」
覚えたのは分かったけど、覚えたどえって何・・・??
タンクトップじゃなく、ランニングシャツを着たアイスのパッケージに載ってる少年が頭に浮かんだ。
覚えたどえっ・・・。
あなだはどごで生まれ、どごでゴドバ覚えたどえ・・・?
この店は一応イタリアンなので、イタリアンと言えば!
の定番の生ハムも、メニューにある。
生ハムって言っても実は全部同じモノじゃなく、ベタかつメジャーな『世界3大生ハム』とかもある。
何で世界は何かと3大◯◯にしたいのかわからないけど、まぁ倣ってみよう。
有名どころだと、『ハモン』と『プロシュート』あたりがメジャー。
「ハモンイベリコはスペインでどんぐりだけを食べて育った黒豚でね。それ以外の白豚くんはみんなハモンセラーノ。
プロシュートは、イタリアでホエーだけを食べて育った豚なんだよ」
ホエーとは、チーズを作る過程で出る水分なので、かなりの栄養があります。
なので出来上がった生ハムはチーズっぽいクリーミーな感じになります。
一方ハモンはどんぐりだけを食べさせる事で、オレイン酸が豊富に作られ、甘ーい脂身も生まれます。
「ほぉー(*´∀`*)!
ハモンシェパードはスペインのどんぐりっ(*´∀`*)!
プロシェパードはイタリアのホエー豚(*´∀`*)!」
(めちゃくちゃ…)
追加でオーダーしたカルパッチョを食べた母の感想。
「このサーモン、臭み取り出来てないわ(*_*;)生臭いもん( ̄◇ ̄;)」
私がうっかり「臭み取り」なんて言葉を教えたばかりに、臭み取りの行程も知らずにその単語を使うようになった母。
ただ、ハラスの刺し身の脂身が嫌いなだけだと思うけど。
「このアヒージョのチーズもプロボローネ(*´∀`*)?」
んな訳あるかい。
どれどれ。
あ。
これはモッツァレラのアヒージョだね。
「どーりで私美味しいわっ(σ≧∀≦)σ」
これは「私が大好きなモッツァレラだから、何かわからなかったけどどうりで美味しいはず」が、ギュッと圧縮されて「どーりで私美味しいわっ(σ≧∀≦)σ」
決して、母が美味な訳では無い。
「ハモンセラーノがスペインがドングリの豚
プロシュートがイタリアでホエーの豚」
どなたかどこかでこのセリフを聞く機会があれば、「良くできました(^_^*)」と、慈しみを持って心から褒めてあげてください。
でも何かを間違えて伝わらなければ、冷たい目でシカトしてあげてください。
それが何より母自身の為にもなり、学習にもなります。
「ペンを貸してくれてありがとう」とカタコトでも英語で伝えられるようになれば、次は正しい日本語の学習に移行したいと思っております。
親子であるが故に、解決が難しい逆教育というものもあると、世のお母さんポジションの方々は知っておいてください。
切実に思う。
さーて。
母のお弁当のおかず作りをしなければ・・・。