先日、スーパーで一匹の鯵が『オレまだ生きてるで!』と言っていたので、数百円と引き換えに連れて帰ってきた。
南蛮漬けにでもしようかと思ったけど、我が家の室温が連日30度前後とサバンナ状態なので、これ以上温度を上げたくない。
だから、火を使いたくない。
刺し身?
うーん。
たたき?
うーん。。
あ。
なめろうにしよう( ̄ー ̄)
生姜も大葉も茗荷も、味噌もある。
ゴマは無いけど、全く問題ナシ。
とにかく全てを出来うる限り包丁で細かく刻んで刻みまくり、まな板の上で全部混ぜる。
洗い物は包丁とまな板だけだし、火も使わないし。
なめろうってステキ。
夏の定番おつまみにしよう。
その夜、母が夜ごはんを食べに来た。
火を使わず今晩のおつまみを作ったにも関わらず、母の夜ごはんはパスタである。
ナゼ私が作る母のごはん常にパスタなのかと言うと、単に母がパスタが好きだから。
という事に、4〜5年前に気づいたから。
どの店に行っても、昼でも夜でもメニューにパスタがあれば必ずパスタを頼むので、
「本当にパスタ好きなんだね」
と聞くと、
「ふぇ(´・ω・`)?そうかなぁ?あっ!そうだわっ(*´∀`*)!自分で作らないから外で食べたいと思うんだわっ(*´∀`*)むはははははっ(・∀・)!!」
この頃はもう既に、母が料理らしきものをしている姿を見た事は無かったが。
「私が好きだから小さい頃もたまに作ってあげてたしょっ(*´∀`*)♪」
何十年前の話だろうか。
私の記憶にある母が作ったパスタは、茹でたパスタとウィンナーをケチャップと塩コショウで炒めた、ナポリタンと呼ぶにはあまりにも具の少ない『茹で麺のケチャップ炒め』だったが・・・。
よって、バリエーション豊富で食材の常備も不要かつ短時間で調理可能なパスタに、母の夜ごはんは落ち着いたのである。
そんな訳で本日のパスタはこちら。
どーん。
何使ったか忘れたので、ネーミング無し。
あ、松の実入れたかな?
松の実入りグリーンパスタ・・・?
んで、母にもなめろうのおすそ分けをしようと、まず味見をしてもらった。
「んまいんでしょっ(*´∀`*)!ちょっともらってくわっ(*´∀`*)!で、、、これなぁに??」
「鯵のなめろう」
「・・・。おいっ!ナメロウっ( ゚∀゚)!」
(目玉おやじ風)
私は本能的かつ瞬間的に、言葉を返すのが億劫になった。
なめろうを知らないみたいなので、生姜と大葉と・・・と一応説明すると、
「つみれみたいなもんねっ(´∀`∩)」
・・・もういいや。
そんな日もありつつ、7月最初の日曜日。
1カ月近く前から言われていた、花ちゃんの毛刈りを決行。
毛刈りと言っても狩るのはペット用バリカンの役目であって、そのバリカンを握るのは私の仕事である。
母は、花ちゃんをほんのり支えるだけ。
つまり頑張るのは、小一時間耐え続ける花ちゃん自身と、嫌がる花ちゃんを狩り続ける私。
こーーんなフッサフサだった毛が
あーらまーぁスッキリ( ^ω^)
チワワ風雌ギツネ。
じゃないか。
逆。
キツネ風チワワ。
「毛刈りしたらシャンプーしてキレイにするーっ(*´ω`*)」
と母が言っていた通り、狩られた直後の花ちゃんは、これまた大嫌いなシャンプーのために浴室に勾留された。
目にも鼻にも花ちゃんの毛が詰まった私は、鼻をかみ目をこすり1人ムズムズしていると、洗い上がった花ちゃんがバスタオルに包まれて湯から上がってきた。
そしてようやく解放された花ちゃんは、『これ以上私に触るとタダじゃおかないわよ』と、この世の終わりでも見てきたかの様な顔つきをしていた。
そんな花ちゃんの心情を推し量ることもなく、母は
「今度の毛刈りは9月だねっ(*´∀`*)♪」
もう一度言う。
狩るのは私で、狩られるのは花ちゃんで、母は支えるだけである。
「よーしっ(´∀`∩)スッキリしたしごはん食べに行こーっ(´∀`∩)!わたしね、昨日パン買い忘れて朝ごはん食べてないのっ(´;ω;`)もうダメっ(´;ω;`)」
パンを買い忘れたからといっても、他に食べる物が無い訳でもなかろうに。
「朝はわたしパンなのっ(´;ω;`)!」
そんな事で意地張らないで、ある物食べりゃいいのに。
そうしていつものファミレスへ。
「とんかつ和膳にするっ(*´∀`*)!あっちょっと待って・・・
鳥唐・・・
いや、いいっ!決めたからとんかつ和膳でいいっo(´∀`)o!」
自分に言い訳しながら、揚げ物vs揚げ物で悩む母。
ここでは必ずドリンクバーを頼むのだが、ドリンクを取りに行くのは必ず私。
「コーヒーとオレンジジュースっ(*´∀`*)」
「はーい」
グラス4つとストロー4本、おしぼり2つと爪楊枝1本を運ぶにはお盆があると楽だけど、毎回これら全てを両手で一度に運ぶ。
学生時代に飲食店のバイトを渡り歩いてきた私には、グラス4つくらいは当たり前。
片手にジョッキ10個ずつとか持ってたなあ。
懐かしいな。
「しゅごーいっ(*´∀`*)♪」
とんかつ和膳なるものが運ばれてきて、残すところ小鉢の一口程になった頃。
「やっとお腹落ち着いたぁーっ(*´ω`*)」
いやいや。
ほぼ全部食べ終わってるし。
そうそう。
この前日の、母からのメール。
”お疲れ様^_^
明日のやりたい事リスト。
花のカット。
リサイクルショップでスカート購入。
靴屋さんかイオンで、靴購入。
カラオケ。”
私は、母の備忘録らしい。
ま、後になって「何か大事な事言おうと思ってたのに思い出せないっ(´;ω;`)」と騒がれるよりは、マシだと思いたい。
「花のカット」が終わり母の空腹を満たし終えたので、お買い物へ。
それにしても、女性の買い物ってどうしてこんなに時間が掛かるんだろう。
私にはちょっとしたトラウマがある。
高校時代からの親友と一緒に住んでいた頃、時々買い物に付き合わされる事があった。
「ねえコレ似合うと思う?」
「思うよ」
「あー!今テキトーに言った!見もしないで言った!サイテー!!」「・・・。」
そして結局何も買わずに帰宅するという、私をサイテー呼ばわりしていた彼女も、今や二児の母である。
買い物に時間が掛かるのはいいとしても、私は無目的に歩き回るのが苦手なのである。
と回想しているうちに母のお買い物は完遂したので、いざ!
いつものカラオケへ。
相変わらず練習曲を延々と歌い、前回(?)の反省点も踏まえながら練習を続け、あっという間の2時間半。
ごはんの前にわずかに食糧の買い出しを。
その買い物を我が家で一旦下ろし、それでも時刻はまだ、17時5分。
「どうするー?」
「この時間なら松田聖子かぁー?」
「一応電話してみるね」
・・・・・。
「お待ちしてますって」
よーし、行こう!
徒歩で。
「お姉しゃん、そっち日当たるからあっち行こう」
「じゃあそこの中通り通っていこう」
並んでテックテック歩くも、意外に遠い。
「もう一本かぁ・・・(TдT;)」
松田聖子着。
ご注文は?と聞かれれば、とりあえず『プロボローネのチーズステーキ』である。
んがぁ!
「申し訳ございません。本日は入荷が無く・・・」
「この前も無くてそう言ってたんだよー!それじゃいつも無いようなモノなんだからメニューに載せちゃダメだよ!それ楽しみに来たのにー(;´Д`)!!」
と、どちらともなく子どもの様に大騒ぎ。
数分後、歯だけ異様にキラキラした”俺って海の男だぜ!”みたいな、浅黒い兄ちゃんがやってきた。
「あの、お客様!僕プロボローネ運んで来たんで、もし良ければお召し上がりになりませんか??」
・・・??
「じゃあさっきのチーズせんべいキャンセルでプロボローネ」
「あざぁーっす!!」
少し斜めだった母の機嫌が、一気に治った。
お通しは花咲ガニ。
そして、ロブスターの半身焼きとプロボローネ。
花咲君を解体するのは私の役目だとしても、各自ロブスター半身ずつ。
ふむふむ。
沈黙を楽しもうではないか。
「えび味噌食べれなかったけど食べれるようになったさっ(*´ω`*)カニ味噌はまだダメだけど、昔はえび味噌も食べべなばっ(*´ω`*)」
ロブスターを突っつき口に頬張りながら話す母は、途中から何を言っているのかすら不明である。
一方ようやく花咲君の身を全て剥き終わった私は、次は自分のロブスター解体へ。
器用に食べながら喋る母と違い、私は身を全部取り出してから贅沢に食べたい派。
カニでもエビでもロブスターでも。
「ホントに全部取ってから食べるんだねぇ(・・;)」
YES!
小上がりに誕生日を祝ってる観光客風の団体客がいて、日曜のこの店にしては何だか忙しそうだったので、今日はいつもより少し早めに撤退する事に。
「もう帰ろっ(*´ω`*)お腹いっぱいだし目が酔っ払ってるもん(´・ω・`)」
目が酔っ払っている。
頭が酔っ払うより深刻な事態の様な気がするけど、まあいいや。
帰宅した母には、恐らくまだ機嫌が悪いであろう花ちゃんのお散歩が待っている。
私には、仕事と会長のご夕食の準備が待っている。
ところが数時間経った22時頃、再び母からメール。
”ファイアー、回線速度が遅いって出るんだ。
ダウンロードしないとだめかな?”
・・・・・・。
そんなもん自分で調べて勝手にせいやっ(# ゚Д゚)!!
と思ってもおかしくない所だが、私は苛立ちイライラする事がまず無い。
というか、中間が無いのである。
大抵の事はどんな事でも心に波打つ事が無いが、一度怒りへと転換してしまうと、一切の見境を失いとてもじゃないが手を付けられたもんじゃーない。
というのをよくよーく自覚しているので、勝手にせいやっ(# ゚Д゚)!!とならずに済むのである。
だって、AmazonFireを母なりに使いこなそうとしているのだ。
全く使いこなせてないけど。
そんな訳で、私は目が酔っ払っていたとしても、母への対応は24時間体制で臨まなければならないらしい。
長く、そして永い、7月最初の日曜日であった。