母は言葉に新たな意味付けをする天才でもある。
もしくは造語を生み出す天才。
つまり、言いたい事と実際に口に出る言葉が、たびたび噛み合わないってこと。
たとえば、行きつけの店の名前も平気で間違える。
一文字違う、とかそんな次元じゃなく、全く新しい店名になって母の口から進出する。
そして擬音語をよく使う。
「シュッと行ってシャッと済ませてシャシャーッと帰ってくるから大丈夫だっ(^o^)」
それってどれくらいの時間を要してどのくらいの大丈夫度合いなんだろう・・・
と疑問に思っても訪ねてはいけない。
この正しい返答は、
「わかったよ。気をつけてね。」
このひと言で完結する。
フラッシュバックという言葉がある。
外傷後ストレス障害などとも呼ばれ、何かの外的要因により記憶作用が高まり過去の一部分の光景を何度も思い出すというもの
(すっごく簡単に言うと)。
そんな心理学用語ですら、日常会話の中で濫用し、ネタになってしまう母である。
会話の発端は、先日私が直線距離で1200km離れた土地に住む弟に、
約1年数ヶ月ぶりに会いに行った際、飲みながら彼が話した支離滅裂な会話内容から始まった。
それはまた別に語るとして・・・
弟は母の事を、私の前に限り「ばあ」と呼ぶ。
「ばばぁ」じゃあまりにも尊厳に欠けるし、「ばば」だと濁音が続いて呼びにくいし、
何だかんだお互いの間で「ばあ」で落ち着いた。
何しろ、今は離婚して私たち子ども達(特に私)しか接触の無い父親が「じい」なのだから。
「ばあ」。
話を戻そう。
弟とのその何百日ぶりかの酒宴の席での事。
彼は(私も)それなりに凄惨な10代を過ごしてきた。
中でも彼には、
「両親不仲時代」
「金魚の金ちゃん死亡事件」
「ばあが切れて家死んだ日」
etc・・・と、タイトル付きで記憶しているものがある。
最後の「家死んだ日」の触りだけ母との会話で触れ、
「その頃は更年期障害ってやつでいつもイライラしてて私も辛かったのよ」
と。
ほほーう。
それは仕方ない。
女性であれば誰しも経験し、時には苦しみ悩む年齢現象だから。
そんな更年期についてのあれこれの話しを聞いているうちに、
・・・・・・
会話の一部をそのまま載せてみよう。
母:「私、あれはあんまり無かったの。
あのさ、のぼせてぶわーって顔とかに汗出るやつ。
あの、、
フラッシュバック(・・;)!?
あれ私あんまり無かったもんっ(*´∀`*)
・・・あれ?
違った?
何か今違うみたいな顔してたもーんっΣヽ(`д´;)ノ !
ふーふふふふふぁふぁふぁっ(*´∀`*)!!
あれぇぇっ??
違ったァ(*´∀`*)!?」
ちなみに、更年期障害の症状のひとつと呼ばれるもので、
一時的に顔面部に多量の汗をかいてのぼせたように熱量が上がる症状を、ホットフラッシュと言います。
更年期にみんながフラッシュバックじゃ大変だ・・・。