台湾

素敵な休日

突発性フユヤスミ。

冬休みをした。

 

 

「冬休みする」

 

 

言葉の使い方は置いといて、なんかステキな響き。

 

 

休みってつまり、忙しない日常からわずかに離れて、何となくのんびりするっていうやつ。

 

 

休みってだけで結局仕事してると、何の休みだかわからなくなるけど。

 

 

そんな何の休みだかわからない休みは、突然やってきた。

 

 

「今度の休みに近くの海外でも行かないかいっ(・∀・)?」

 

 

 

 

はい?

 

 

母にはいつも『今度の休み』があるけど、私の『今度の休み』はいつ?

 

 

「海外ってどこでもいいの?・・・私と行くの?」

 

 

伝わりますか私のこの一瞬の困惑が。

 

 

が、しかーし

 

 

基本的に断らない私は、快諾。

 

 

『今度の休み』に。

 

 

『近くの海外』に行くことを。

 

 

 

母との2人旅行では、何事もなく大いに楽しんで、無事帰宅!

というのが、まず無い。

 

 

皆無。

 

 

大人の修学旅行の時と同様、ここでも私は心に誓う。

(参照→2016年の夏のお話)

 

 

★母が苛立っても怒っても喧嘩腰になろうとも、何があってもケンカに発展させてはいけない

 

 

親子で有るが故に無遠慮になってしまいがちなので、私は常に菩薩の心を持って接すべし

 

 

誓う事はいつも同じ。

 

 

そしていつもいつまでも、その心忘れるべからず、と。

 

 

元来超省エネ人間な私は、ケンカなんぞやに体力を使わないけど。

 

 

毎度の事ながら、フライトもホテルも私が手配し、空港の喫煙所の場所まで調べ上げ、現地の電車の路線図まで記憶。

 

 

したにも関わらず。

 

 

母は言う。

 

 

「全部プリントしなきゃダメだわっ(;´Д`)わたしは紙でちゃんと見なきゃダメだっ(;´Д`)!」

 

 

。。。

 

 

とてつもない量になるんじゃ・・・?

 

 

ていうか、そのプリントした資料達を全部持っていくつもりだろうか。

 

 

うーん。

 

 

過去の事例からすると、間違いなく全部持っていくんだろうな。

 

 

そんな訳で、『近くの海外、突発性台湾旅行』へ。

 

 

フライト

 

 

本を読んだり仕事したり、グラスワインを一口で飲んで一瞬昼寝してみたりしてるうちに到着。

 

 

あ。

 

 

ああ・・・。

 

 

あっちぃ・・・。

 

 

想定内の小さなミスにより空港でたっぷりと時間を過ごし、バスに揺られて台北へ。

 

 

更に地下鉄に揺られ、ホテルへ。

 

 

母は事前に、張り切ってこう言っていた。

 

 

「タクシーなんか絶対乗らないで、ちゃんと普通の乗り物だけで移動してお金使わないようにしようねっ(*´∀`*)!わたし歩けるしっ(*´∀`*)!」

 

 

わたし歩けるしっ(*´∀`*)!は良いけど、それはつまり、私も歩くという事ですね。

 

 

私は一週間ほど前に、足の薬指の皮膚が一部欠損するという負傷を負っていた。

 

 

でも歩くのですね。

 

 

ふむふむ。

 

 

歩いてみせましょう!

 

 

 

で、ホテル着。

 

 

フロントでチェックイン手続きをし、エレベーターにて。

 

 

ここで早速、早くも母は新技を繰り出した。

 

 

 

エレベーターのボタンを押す。

 

 

→反応しない。

 

 

 

 

もう一度押す。

 

 

→反応しない。

 

 

 

 

連打する。

 

 

→反応しない。

 

 

 

・・・。

 

 

ふんっ( ・`д・´)!!

 

 

強打。

 

 

が、反応しない。

 

 

半歩後ろで見ていた私がルームカードをかざすと、すぐに扉が開いた。

 

 

「なにそれっ(´;ω;`)」

 

 

・・・。

 

 

何それって、ふんっ!って何それ・・・。

 

 

連打速度や力加減の問題じゃないでしょう。

 

 

 

台湾は法律で屋内は全面禁煙なのだが、外では路上でも歩道でも、つまり至る所でおっさん達や若者達がモクモクとタバコを吸っている。

 

 

なるほど。

 

 

「屋内」じゃ無ければどこでもいいって事らしい。

 

 

コチラはとある灰皿の隣の張り紙。

 

 

喫煙所

 

 

「ホウトウって読むのかな」

 

 

と私が呟いていると、母は訳知り顔で言い放った。

 

 

「あぁーっ(・∀・)!そっかそっかっ(・∀・)!

昔から放蕩息子は蚊帳の外って言うもんねっ(・∀・)!だからタバコ外かっ(・∀・)!」

 

 

・・・。

 

 

全然意味が違う気するけど。

 

 

法律で禁止されてるって言ってるのに。

 

 

 

 

土地柄なのか、野良猫はかなりフリースタイルなお昼寝。

 

 

猫

 

 

母も隣で写真を撮ろうとしてiPhoneを取り出すと、事件が置きた。

 

 

「わたしのカメラ壊れたっ(゜o゜;!何も写らなくなったーっ(゜o゜;!ねぇちょっと見てっ(´;ω;`)!うつらないっ(´;ω;`)!」

 

 

どれどれ。

 

 

iPhoneを受け取ると、ケース背面に地下鉄のICカードが差さり、カメラのレンズを塞いでいる。

 

 

 

 

おっかあさーん。

 

 

 

そりゃ確かに写らないっすよ。

 

 

これじゃ写ルンですだって写らないっすよ。

 

 

事件は一瞬で解決。

 

 

 

 

広大な博物館で博物を眺め、ほぼ定刻通りにお腹が減った母の「自称・小腹」を満たすべく、駅前のベンチで軽食。

 

 

杏仁豆腐食べたいっ(*´ω`*)♪」

 

 

360度どこを眺めても、視界の中に杏仁豆腐のお店は無い。

 

 

「あそこすごい並んでるよっ(・∀・)!きっと美味しいんだよっ(・∀・)!きっと有名なんだよっ(・∀・)!あそこにしよっ(・∀・)!」

 

 

たまたま時間帯で人が多いだけの様な気もするけど。

 

 

まぁいいや。

 

 

 

卵に小麦粉と玉葱たくさん入れて焼いたクレープ生地みたいなやつで、ベーコンや更に卵を挟んで半分に折っただけの、何て言うんだろ?

 

 

玉ねぎトルティーヤみたいな?

 

 

そんな普通のモノが、普通に、とても美味しかった。

 

 

「なんか美味しいね」

 

 

「ねーっ(*´ω`*)♪おいしいけど上手に食べれないわぁ(*´ω`*)♪」

 

 

会話になってる様ないない様な。

 

 

ベンチでほのぼのしてると、高校生ぐらいの女の子3人がご出勤。

 

揃ってミニスカ。

 

昼間から客引き開始の模様。

 

 

声をかけるのは男性だったり女性だったり。

 

 

でも一応何かの基準はあるようで、それでも何の客引きなのか全く不明。

 

 

と思ってると、40代後半と思しき男性が捕まり、眺めてると真正面のビルの2階に連行。

 

 

その2階の窓は暗幕が張られたかの様に暗く、男性は出てくる気配なし。

 

 

わずか1分後、女の子だけが出てくる。

 

 

 

「やっと1人つかまったけど、あのおじさん大丈夫かな」

 

 

「ねー(´・ω・`)化粧品のポスターはってるけど絶対化粧品じゃないもんねー(´・ω・`)」

 

 

うーん。

 

大丈夫かな、おじさん。

 

 

向かいにセブンイレブンがあったので、私は食後のコーヒーを買いに。

 

 

すると客引きの女の子が声を掛けに来るも、フルスルー。

 

 

ていうか、言葉わかんないし。

 

 

大体のお店では英語は通じるので、レジでコーヒーを注文。

 

 

日本以外のアジア圏では無糖のコーヒーがほとんど無いため

そして私は重度の猫舌なため

だけど冷たすぎるとお腹を壊すため

 

 

以上3点を考慮した結果、オーダーはこうなった。

 

 

 

 

「レギュラーコーヒー、砂糖なし、ミルクなし、アイスで氷なし」

 

 

しかーし。

 

 

最後の「氷なし」は必要なかったっぽい。

 

 

私は確かに甘くないコーヒーを手に入れた。

 

 

 

 

 

「複雑な注文したらホットになった・・・」

 

 

「なるかもねぇ(´・ω・`)

さっきの声かけた子、もう1人の子に『あの人ずっと座っってた人だからダメだって!』って引っ張られてたわっ(・∀・)♪」

 

 

中国語が全く理解できない母は、目で会話を読み取ったらしい。

 

 

母は滞在中、一貫して中国語を覚えようとすらしなかった。

 

 

何もかも、根拠無き自信を持って日本語を貫き通した。

 

 

 

たとえばプラットフォーム。

 

 

第◯月台と、番号が書いてある

 

 

「ユェタイ・・4番ホームだって」

 

 

「4番ゲツダイねっ(・∀・)!」

 

 

・・・。

 

 

唯一、トイレを我慢できなくなった母が、自転車に腰かけたおじいちゃんに場所を訪ねた時。

 

 

「ああぁー・・カワヤ(;´Д`)?カワーヤ(;´Д`)?トイレット(;´Д`)?」

 

 

イントネーションは多分英語のつもり。

 

 

でもカワヤで通じたらおじいちゃんが凄いよ。

 

 

厠って・・・日本でも若者には通じないだろうに。

 

 

 

 

母の『行きたいとこリスト』の1つ、ロープウェイで登るパワースポットらしい山の頂への道中。

 

 

そのロープウェイに乗った瞬間、母はなんの前触れもなく壊れた。

 

 

「イェェェーイッヾ(゚∀゚*)ノ!!★ ウェェーイッヾ(゚∀゚ *)ノ!!★ ヒェッヒェェーイッヾ(゚∀゚ *)ノ!!!!」

 

 

嬉しかったのか何かわからないけど、ワタシビックリするネ。

 

 

だが高所恐怖症の母は離れていく地上には決して目を向けず、その目は常に山頂を見据えている。

 

 

ロープウェイ

 

 

そしてその山頂のお茶屋さんにて一服。

 

 

コレ一番人気!コレ一番有名!と勧められたお茶ではなく、

 

 

「じゃあ二番目に人気なのは?三番目は?へぇー。じゃあ一番人気がないのは?」

 

 

と店員さんと言葉遊びをし、結局4番人気らしいお茶を注文。

 

 

その4番人気らしいお茶を飲む私の正面で、母は子どもの様な満面の笑みを浮かべている。

 

 

「でへっ(๑´ڡ`๑)♪」

 

 

 

 

手にしているのは、ソフトクリームである。

 

 

ソフトクリーム片手に、満面の笑みを浮かべる母・・・。

 

 

まあいいか。

 

 

 

 

山から降り、これまた広大な敷地の建造物内見学。

 

 

蒋介石を崇めて建立されたとか何とか。

 

 

 

 

私は時々、例えば芸能人や映画俳優や政治家のニュースや報道に対して、まるで彼らの友人かの様に語る事がある。

 

 

母に対してのみ、だけど。

 

 

例えばSMAP解散報道の時。

 

 

「しんごちゃんアメリカ行っちゃうんでしょ(´・ω・`)?」

 

 

「いや、この前行かないって言ってた」

 

 

「キムタク独立するの(´・ω・`)?」

 

 

「事務所に残るって言ってたよ」

 

 

 

こんな感じに、軽ーく。

 

 

 

 

母はそれを取り入れてみようと試みた。

 

 

 

らしい。

 

 

 

 

 

「蒋介石のおかげで日本人だって日本に戻ってこれたんだよっ(*´ω`*)」

 

 

「そうだね。大変だっただろうね」

 

 

 

「大変だったって言ってたっ(・∀・)!

あっ、蒋介石とは別に知り合いじゃダファァッ( ゚∀゚;)w!」

 

 

言い終わる前に自分で吹き出したら、面白さはむしろマイナス。

 

 

 

他の展示フロアでは、おそらく詩だと思われる額縁が壁にズラーッと。

 

 

 

 

母の目に映るものと私の目に映るものはかなり違うので、当然目にとまるモノも違う。

 

 

 

 

私はその作品の中のひとつの、ある文字がどうにも気になった。

 

 

そこには、こう書いてあった。

 

 

草

 

 

(つд⊂)?

 

 

んー(つд⊂)?

 

 

 

あぁ!

 

 

なーるほど。

 

 

 

私は母を呼び止めた。

 

 

「ねぇ。これ見てみて」

 

 

「(´・ω・`)?」

 

 

 

「クサクサクサクサクサクサクサクサ」

 

 

 

「す・・・

すごい速かったねっ( ゚д゚ ;)!」

 

 

 

そこかいっ( ゚д゚ ;)!

 

 

着眼点が違いすぎて、会話は不成立に終わった。

 

 

 

 

その後、母の念願の小籠包を食べに。

 

 

 

いやー。

 

 

美味でありました。

 

 

 

左・ノーマル小籠包。

奥・ヘチマとエビの小籠包。

右・カニ味噌と豚肉の小籠包。

 

 

小籠包

 

 

母が待ちきれず食べてしまい、写真ではノーマル小籠包は一部欠損。

 

 

ナゼか1つずつ順番にローテーションしながら食べる母に、一応感想を聞いてみた。

 

 

 

「ヘチマってどう?」

 

 

「ヘチマだわっ(๑´ڡ`๑)♪

 

 

 

・・・。

 

 

「どれが一番美味しい?」

 

 

「普通のっ(๑´ڡ`๑)♪

 

 

 

・・・。

 

 

 

 

こうして最後の食事も終え、私たちは帰路についた。

 

 

 

その私たちには、帰宅前に決して忘れてはならない事がある。

 

 

そう。

 

花ちゃんのお迎えと、会長のお迎えである。

 

 

花ちゃんも会長も、帰宅後はぐっすりお休みになられておりました。

 

 

花

会長

 

 

 

近くの海外、突発性台湾旅行』

 

 

 

 

★母が苛立っても怒っても喧嘩腰になろうとも、何があってもケンカに発展させてはいけない

 

 

親子で有るが故に無遠慮になってしまいがちなので、私は常に菩薩の心を持って接すべし

 

 

 

 

些細なトラブルはいくつかあったけど、私にとってはトラブルと呼ぶ程でもなく。

 

 

本当にホントーに、些細な事ばかり。

 

 

 

 

 

 

あえて何かを挙げるとすれば。

 

 

 

 

 

それは母との約束通り、

 

 

 

足の感覚が無くなる程、めちゃくちゃ歩いた事。

 

 

 

Complete(๑•̀ㅂ•́)و

 

 

こうして私は、『冬休みした』のである。

 

 

 

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