12月も終わろうとしている。
急に招集がかかった日曜日。
もはや選択肢も無くなったランチは、ファミリーの姿があまり見られない、ファミリーレストランのみの一択となっている。
びっくりもしない某ハンバーグチェーン店は、いつの間にか全日全面禁煙となってしまったのである。
全日全面禁煙。
紛らわしいけど、つまるところ『喫煙者お断り』と。
そんな訳でいつものファミレスに行き、代わり映えしないメニューをじっくり眺めていつも通りの注文をし
(見るだけで満足)
母は主に喋りながら、私は主に頷きながらランチタイムを終える。
というか1月の小旅行のためのリサーチも兼ねてのランチだったので、対面で座って2人でひとつのPC画面を見てると、首がおかしくなる。
誰か何かいい方法を知ってたら、ゼヒ教えてください。
その後はいつも通りカラオケに行き、ここでも母は謎の発言。
「お天気悪いのに空いてるねっ(*´ω`*)」
毎度思うが、週末の深夜の繁華街でもない限り、カラオケ店の集客に天気は関係ないような気がする。
田舎のしかも郊外の小さなカラオケ屋に、「天気良=客数減」「天気悪=客数増」の公式は適用される?のか?
はて。
どうだろう。
んー・・・
まぁいっか。
そんなもう慣れ親しんだ修行のようなカラオケも終え
(私は風邪で喉ガラガラ&鼻から滝のような水=鼻水)
退出間近、これまたいつも通り母はソファーを元に戻しながら言う。
「どうするーっ(*´ω`*)??」
すっかり忘れている方も多いと思うので、ちょっと復習。
カラオケでは、母は画面の真正面に座らなければ歌えない(らしい)。
その割りに画面が高過ぎたり低すぎたりするのはどうでもいいらしく、とにかく正面なら何でもいいらしい。
よって、画面とソファーがコの字になってるいわゆるカラオケボックスでは
画面_
ソファー→| |←ソファー
これを無理矢理、
画面_
ソファー→ _|←ソファー
無理矢理正面化。
「この部屋足上げる場所ないからきついよねーっ(´・ω・`)」
足上げて歌いたいなら、座敷があるカラオケスナックに行くべきである。
んで、その90度無理矢理移動させられたソファーを戻すために
「ほらっちょっとどいてっ(゚∀゚)!」
と理不尽にも移動させられながらの
「どうするーっ(*´ω`*)??」
・・・。
正直、どうもしなくとも、どうでも良い・・・。
ていうか、喉ガラガラで鼻ぐじゅぐじゅの風邪の時点で、思考停止寸前。
カラオケから出ると、17時にして外は真っ暗。
暗いならば、もう夜ご飯の時間である。
「ここ行ってみない?牡蠣屋さん。近くの小さいとこの」
「あっ(゚∀゚)!松田聖子の横のとこっ(*´∀`*)?」
「ん?角の小さいお店のとこの」
「違うよっ(・∀・)!それが松田聖子の横になったんだよっ(・∀・)!」
普段から花ちゃんのお散歩でちょろちょろしてる母の方が、こういう時は正しい。
移転したんだろうね、牡蠣屋さん。
で、初めて行ってみた。
日曜日だからか、そこそこ広い店内なのに角にぽっそり一組お客さんがいるだけ。
店員はお姉ちゃん一人。
ふーむー。
むぅ。
ま、静かでいいか。
「わたし牡蠣グラタンっ(*´ω`*)♪
あ・・・やっぱりバター醤油焼きにしようかなっ(*´ω`*)♪」
どっちでも好きな方を食べればよい。
「あと牡蠣おでんっ(・∀・)!」
「おでん牡蠣ね」
「やっぱり牡蠣グラタンやめて牡蠣クリームコロッケにするっ(*´ω`*)♪」
「あとねっおでんの大根と、このダシじる巻卵って何だろう(´・ω・`)?」
ダシじる・・・?
あぁ。
言われてみれば、確かにダシじると・・・
書いてない。
『出汁巻き卵』
「出る汁って書いてダシって読むんだよ。どう解読したらダシじるになった・・・?」
「ちょっと間違えただけだもんっ(´;ω;`)」
ダシじると読む方が難しい。
店員のお姉ちゃんにオススメを聞いてみると
「私はしじみキムチオススメです♪」
「じゃーそれも」
という事で。
まずは安定の牡蠣のクリームコロッケ。
うん。
安定性高し。
そしてオススメのしじみキムチ!
どーん。
ふむ。
キムチにしじみが入ってるのだね。
しじみがキムチに入っているのだね。
しじみエキスがキムチに加わって元気倍増だね。
と心の中で呟きながらしじみをつまむと、貝が開いてない。
お?
ひとつ開いてないなーと思って違うしじみちゃんを摘むと、まさか・・・。
全部開いてない・・・。
なんだ?
つまり、しじみエキス入りキムチかと思わせておきながら、身どころかエキスの一滴も入っていなく、しじみ自体は飾り?
「飾りしじみ入りキムチ」
・・・。
しじみ、いらなくない?
キムチ食べにくいだけ(´ . .̫ . `)
しかもこのキムチ、鼻の頭に汗が滲むほど後からじんわり辛い。
と思ってたら、結構辛い。
ブツブツ呟いてたら、ふと後ろを振り返ってみると、お客さんが知らぬ間に増えてる。
おおおー!
なんだ。
日曜でもそれなりにお客さん入るじゃーん。
と思ってたら、これまた驚異の回転率でどんどん店を後にして行く。
「何か他のもの頼まないのー(´・ω・`)?キムチだけ(´・ω・`)?」
「いや、あん肝ってあんこうの肝でしょ?マンボウ肝ってあるんだけど。あんこうとマンボウって違う生き物だよね?」
「あんこー(._.)?まんぼー(._.)?違うわっ(・∀・)!違うよっ(・∀・)!」
妙に自信ありげな母。
わからない事は、とりあえず何でも聞いてみる。
にわかに2人に増えている店員のお姉ちゃんに。
「まんぼう肝ってどんなモノ?」
「えーと、何て言ったらいんでしょう・・和えた感じです^^」
なるほど。
全然わからん・・・。
全然わからんけど、頼んでみた。
まんぼう肝。
ほいっ。
なんかね。
和えた感じだった・・・。
ぽそぽその鶏肉を裂いて、味噌を水で薄く溶いて混ぜてみたみたいな・・・。
あ。
そういえばお通しが出てたんだった。
「このお通し何だった?」
「魚っ(・∀・)♪」
・・・・・・。
見たらわかるけど。
何の魚なのか聞かなかった私が悪いか・・・。
立派な骨がしっかり残ってる、歯ごたえのある食感のナゾ魚。
素揚げしてある上にタルタルソースがかかってるため、余計何の魚かわからず。
はっ・・・。
もしかして、これもマンボウ?
という事で、わからない事はとりあえず何でも聞いてみる。
「この魚って何?」
「カレイです^^」
カレイ・・・。
意外と身近な魚だった。
「カレイでもマコガレイだと思うんだよなぁ(*´ω`*)でも骨ばっかりで食べづらいからこれあげるわっ(・∀・)!」
食べづらいモノだけが私に回ってくる。
お腹もいっぱいになり、気づけば私たちの後にどっと押し寄せた他のお客さんたちは、みんないなくなっており。
あまりの寒波とあまりの私の軽装により、満足しつつタクシーで帰宅した私たちである。
大寒波だというのに、この翌日、私は花ちゃんのお散歩代行を頼まれていた。
花ちゃんは寒波だろうが何だろうが関係なく、私を寒空の下にたっぷり1時間佇ませてくれた。
「帰ってごはん食べようよ。寒いよ。もう帰ろうよ・・・」
私の言葉は、今日も花ちゃんの心には届かない。