「また台湾行くかー(*´ω`*)」
私台湾好きだしっ(*´ω`*)」
「10月になるとフライト代少し値上がりするけど、9月の高雄行きの直行便は安いみたいだよ」
「9月出発の方が休み取りやすいなぁー(´・ω・`)
他に行ったことない韓国とかシンガポールで、もっと安いのない?」
いやいや。
旅費の基準が台湾だったら、その旅費でシンガポールは行けないでしょう・・・。
あ。
韓国安っ。やっす((( ゚д゚ ;)))
あれ。
今見てるの11月だった。
ん?
やっぱり韓国安い。
ソウル安い。
「韓国安いの^^? 9月10日出発なら何とかなるよ私(*´ω`*)!
10月はどう?」
同じ条件だと、9月が一番オフシーズンかなぁ。
「9月だな。」
「だな。」
こんな会話があったのは、7月26日。
翌日。
9月9日発12日戻り、韓国ソウル行き。
手配完了。
「絶対行った方がいいとことか聞いておくねっ(*´∀`*)!」
「私は韓国語の勉強します」
翌28日。
私は大阪にいた。
夜に来た母からのメール。
”お疲れ様^_^
ひめ、ハイタッチするようになった(*^^*)”
という文面と共に送られてきた、相変わらず焦点が合っていない動画を一応見てみる。
「ひめー(*´∀`*)!ハ~イターッチ!!」
・・・・・・。
母が会長の顔の前に手を出し、ハエ叩きのようにその手を叩き落とす会長。
バッチバチ音鳴ってるし。
そんな友愛も何もないハイタッチがあるものか・・・。
3日間の大阪滞在で5Lの水を飲み、5L以上の汗を流した私。
干からびるかと思った・・・。
出張から帰ってきた30日、会長のお泊り代のお礼にと、母としゃぶしゃぶを食べに。
帰りに母の部屋に会長を迎えに行き、迎えに行ったにも関わらずツンデレの極みのような会長は、私の前に姿を見せない。
どここからじーっと睨みつけているのだろうが、気配を感じない。
何事もなかったかのように平然と見もしないテレビを眺めるフリをする事10分。
会長確保ぉぉ!
ふぅ。
帰ろ。
と、いつの間にか物音を発しなくなっていた母の方を見ると、帰ってきた姿のまま身体の3分の2ほどをベッドに乗せた状態で寝落ちしている。
会長をお出かけバッグに静かに入れ、花ちゃんに静かに挨拶をして、静かに母の部屋を後にした。
さらにその翌日。
母の誕生日プレゼントにと南方から頂いた大量の手羽先を、母は持ってきた。
「揚げてっ(*´∀`*)」
揚げなきゃ食べれない冷凍手羽先50本、汗だくになりながら私はすべて揚げる。
真夏に揚げ物・・・。
干からびるかと思った・・・。
さらに時は流れ、8月1日。
”頼まれてたやつ送ってあるからね”
”今手羽先食べてるから忙しい”
なんだそりゃ・・・。
と、ここまでは余興のようなもの。
パロディのような日常は相も変わらず続き、韓国旅行も差し迫った9月8日。
現地の天気予報を見てたら、滞在中の2日間が雨予報。
というのを母に知らせると、
「気合い次第だよ、頑張って(*^^*)」
これは私が究極の晴れ女であり、母が嵐を呼ぶ女であるため。
私の晴れ女パワーの方が基本的には強いが、体調が優れないと嵐力に負けて、負けると豪雨に襲撃されるという絶対的なジンクスがある。
そんなこんなで出発日当日。
9月9日。
朝から会長と花ちゃんを別々のホテルに預けてから空港へ。
んで、in韓国。
空港からほぃほぃ移動するも、ホテルに着いたのはなんだかんだで19時頃。
しかも。
最寄り駅からホテルまで、超・坂。
膝がカクカクする系の、超・坂。
からーのー。
「韓国は焼肉食べなきゃっ(*´∀`*)!!」
という事で、ホテル前の意外にきつい上り坂を上って駅に向かい、明洞(ミョンドン)へ。
若者の遊び場的な雰囲気がありつつ、というか若者の遊び場なんだろうな。
若干迷いつつ、目当ての焼肉屋にたどり着く事ができたのは21時頃。
肉もすごいが、付け合せ?の野菜の量がハンパない。
サンチュはおかわり自由らしく、仏頂面の店員のおばちゃんが無くなる度にでっかいボールからサンチュを足しに来てくれる。
で、
あまりにもハイテンションで肉を食べる私たちに、仏頂面の極みじゃ〜!みたいな顔のおばちゃんが、ついに話しかけてきた。
「中国かい?」
「違う違う、日本だよ。初めて来たんだよね。
全部すごい美味しいよ。おばちゃんありがとう」
「日本人かい!楽しんでいくんだよ」
「ありがとう!」
仏頂面のおばちゃんから、ついに笑顔を引き出した。
韓国語を何一つ勉強せず、すべてを私任せにしていた母は顔に「???」を大きく貼り付けているだけ。
ま、いつも通りっちゃいつも通り。
「なんて話してたの(*´ω`*)?」
「美味しいよって」
「カムサハムニダ?」
「それは、『ありがとう』ね」
ホテルに戻り、爆睡する母を横目にせっせと仕事に勤しむ。
翌、10日。
韓国の世界遺産のひとつでもある、昌徳宮と書いてチャンドックンというところに「取材」へ。
そう。
地味に、今回は取材旅行でもある。
ここでは、個人的にはこの建物のこれが好き。
風流じゃ。。
からーのー。
電車とバスを乗り継ぐ事、約1時間半。
南方にある『水原華城(スウォンファソン)』という城跡に向かう。
インフォーメーションにて一応ガイドマップ的なものをもらうと、インフォおばちゃんが最後に一言。
「暗くなると危ない。スウォンは登山!暗くなる前に急いで」
現時刻は16時。
登山って。
いくら城の跡とはいえ大げさっしょ、登山は。
「いっくぞー!」
「うぇぇぇーいっ!!」
どぅあ……( ゚д゚)!!!
「何か・・・何か楽しい話をしようか・・・」
「足止めちゃダメだ足っ(;´Д`)」
「いよっしゃーぁぁぁ!!」
どのくらいの規模かというと。
ある門を撮った写真がコレ。
の、ココにいるのが母でござる。
伝わるだろうか、このスケールが。
写真を撮るのも一苦労。
驚異的な粘りの精神と負けず嫌いの精神が功を奏し、暗くなる前どころか余裕の2時間弱での下山。
しかーし。
こんな登山のような城跡を、犬の散歩していたりジョギングしている一般市民がたくさんいる事に驚愕。
若者が坂道の中腹でデートでいちゃついていたり。
「カップルがいたねぇ」
「あんな登山はデートにならんっ(`;ω;´)!」
同感。
水門を後にする。
18時頃、ソウル市内へ戻るべく電車に乗り込む。
「戻ったら今日はホルモン食べに行ってみるかぁ」
「イイねっ(・∀・)!」
「じゃあ店調べてみるね。途中で乗り換えあるからこの路線マップ見ながら近くなったら教えてね」
昨日の焼き肉は「焼き肉」であり、ホルモンはホルモンと何やら別らしい。
うーん。
あ、ここなら行きやすそう。
な気がする。
「ねえ?なんか駅の数違うかもしれない(´・ω・`)」
「ぬっ?今どこ?」
「さっきココだったから、今ココだと思うんだけどアナウンスとふりがながちょっと違う気がするの(´・ω・`)」
「(゚Д゚;)!!過ぎてるよ。」
「降りるっ(TдT;)!?すぐ降りれば間に合うかもっ(TдT;)!?」
↑
全然そういう問題じゃない。
「今降りても乗換駅じゃないから、このまま乗って次のこの駅で乗り換えよう」
「地図見てたのにっ(´;ω;`)!
駅飛ばされたっ(´;ω;`)!!」
母に任せた私が悪い。
「信じれるのは己だけ」と、心に刻む。
そんな紆余曲折がありつつも、目的のホルモン屋に到着したのは20時。
はて。
まさかの、、行列?
え、これみんな待ち??
「どうする?待つ?」
「せっかくだから!待つっ(*´ω`*)!」
こういう時だけは、この母の「せっかくだから精神」は素晴らしいと思う。
せっかくだから、待つ事40分。
入店!
私があまりにも堂々としているせいか、店員のお姉ちゃんがネイティブハングルスピードで何事かを告げて立ち去ろうとする。
ちょい待ちほいっ!
日本人だから、早すぎてわからんから、もう一回ゆっくり!
母は二日目の夜もまだ「???」なので、ホルモン盛り合わせとビールを注文。
「今日はー(*´∀`*)!
二日目!
たーっくさん歩きましたっ(*´∀`*)!
でも無事にー戻ってこれましたっ(*´∀`*)!
明日もがんばりましょーっ(*´∀`*)!
かんぱーいっ(*´∀`*)♪」
「うぇーいっ!!」
お通し、スンドゥブ。
&
鉄板のキムチ、大根の酢漬け、ニラ。
謎のニラ。
「これ辛っ(;´Д`)!!
あ、ニラおいしい、ニラっ(*´∀`*)」
そしてホルモン漏れ合わせならぬ盛り合わせ。
ロングソーセージの状態で運ばれてきたものを、店員さんが美容師のような手付きでハサミを持ち、さくさくと切ってこの形になる。
すごいね・・・
上手だね・・・
慣れてるね・・・
と囁き合いながら、黙って焼けるのを待つ。
ホルモンの油が凄すぎて、でも鉄板から流れる油を受けるように皿がセットされていて
「なるほど〜。。」と思わず関心。
新鮮なホルモンじゃなきゃこういう形では出せないから、行列が出来ているのも頷ける。
安いし。
美味しいし。
ええ店じゃった。
翌、実質最終日。
最後の取材先には入場制限があるため、決められた時間以外は入る事ができない。
どうすっかー。
という事で、博物館に行ってみた。
スキマ時間でちょろっと見れる規模ではなかったので、後半はかなり流し気味になってしまう。
特に、個人的に気に入った展示物はこのふたつ。
其の一。
なんだろう。。
「あ、最近どうしてた?」と、声を掛けそうになるこの親近感。
其ノ弐。
「大丈夫だから。未来はきっと明るいから。」
そう肩を組みたくなるような、この儚げな感じ。
この儚さは、そう簡単に出せるものじゃない。
逆算に逆算を重ね、空腹になると徐々に機嫌が悪くなっていく母の腹の虫に合わせ、いざ南大門へ。
「南大門はナンデムンって言うんだよ」
「なんだいむんっ(*´∀`*)♪」
「ナンデムン」
「なんだむんっ(*´∀`*)♪」
・・・・・・。
「サムゲタン食べに行こう」
「そう!サムギョプンは美味しいって言ってた(*´∀`*)!」
色々なものが混ざりすぎていて、三日目ともなるといちいち訂正する気も失せてくる。
まあいっか。
市場のゴミゴミした一角の生鮮を扱う辺りに、目的のサムゲタン屋を発見。
韓国の食文化がこういうものなんだろうけど、何を頼んでも必ずキムチと何かが不必要なほど一緒に出てくる。
野菜不足にはまずならんだろう。。
キムチ、カクテキ、味噌、青唐辛子、にんにく。
キムチとカクテキは付け合せ的なもの、味噌は好みで〜的なものだとは想像できる。
が!
ぼろっといくつもあるニンニクは?
齧れば舌が痺れる事間違いなしの、この青唐辛子の用途は?
共に怖気づいた私たちは、ニンニクと青唐辛子には手をつける事なくサムゲタンを頂く。
薬膳スープというか何というか。
鶏をじっくり煮込んだ系の優しさとまろやかさと慈しみのあるスープというか。
ただ見える鶏肉の下に大量のごはんがみっちり入っている事を除けば、胃に優しい朝食or昼食かもしれない。
これだけ毎日毎食キムチなり何かしらの唐辛子を大量摂取する韓国の人々は、きっととてつもなく胃腸が丈夫なんだろうーとも思う。
こうして母の小腹も満たされたところで、南大門市場観光。
とにかく、広い。
そして、思いつくものは一通りなんでもある。
そして。
客引きと思われる店先に立つ韓国人たちは、中国語も英語も日本語も喋る。
人によって語学力に程度の差こそあれ。
そして!
この市場でも私はネイティブハングルで話しかけられる。
why?
「日本人の顔じゃないんだわっ(゚∀゚)
だはははははっ(゚∀゚)!!」
あなたの娘なんですが。。
市場自体が蜘蛛の巣状というか路地が入り組んでごちゃーっとしていて、基点を見つけるまであてもなくふらふらしてみる。
と、母がまたしても必殺技を繰り出す。
「わたし、1番最初に見たあれ食べたい(*´ω`*)」
既に南大門入りして2時間経過。
・・・。
いつもの事さぁ・・・。
一人で「一番最初」やらに行ってしまえばいい。
そう思った事は伏せておく。
そんなこんなしているうちに、最後の取材先の入場時間。
宗廟と書いてチョンミョと読む世界遺産。
一言で言うと、墓。
正確には、肉体の墓ではなく魂の墓。
同じような微妙に違う遺産を既にいくつか見てきた私たちは、にわか物知りになっている。
日本人の団体観光客も数グループいたが、私たちは団体客よりも「にわかに」詳しいのである。
だって、同じ様な微妙に違う説明を何回も聞いてきたし同じ様で微妙に違うパンフレットもいくつも見てきたから。
にわかに、詳しい。
世間ではこの状態をこう表現する事もある。
知ったかぶり、と。
おうおう。
知ったか上等!
霊感があるようで無いような、無いつもりなのによく実体のない人間にも遭遇する私。
&
全くなくて一切何も感じない母。
この二人がこのお墓の敷地の外に出た時の共通認識。
「一歩外に出ると空気が汚いね・・・」
「交通量も幹線道路だし。
廃墟もあるし落ちてるゴミの量もすごいし」
「これはあれだね」
「うん。あれだね」
ということで、フレッシュジュースを飲んで気分もReフレッシュ。
からーのー。
無駄足観光は省略。
取材旅行も最後の夜!
って言っても体は結構限界近くまで疲れてる。
ホテルの近くで何か探すかー。
ちらほらお店もあったしねー。
となり、最寄り駅まで戻る。
あちこち覗きに覗きまくり、入ったのはアメリカンなレストランバー。
連日肉ばかり食べていたせいで、体が生野菜を欲している。。
キムチもカクテキも生っちゃ生だけど、THE!生野菜!というのは無かった。
ので。
コブサラダ。
ざっと3人分くらいの量。
アメリカンぽいレストランバーだからか、ビールの種類がいっぱい。
周りはカップルもいっぱい。
客自体は少ないけど、少ないなりにほとんどがカップル。
んで。
そんなに広い店じゃないのに、視界にはトイレが無い。
にも関わらず、母がトイレに行きたいとうずうずし始める。
「無いっぽいね。外かな?」
「あっ(*’д’*)今あっちの女の子がトイレに行ったっ(・・;!
一回店出たから外なのかも。
戻ってきたら行ってくるね(・・!!」
「我慢できる?」
「大丈夫っ(*´∀`*)/」
あっ! 出た(*´∀`*)!
行ってくるわっ(。・∀・。)!!」
(あまり余裕無さげ)
20秒後。
「トントンしたけど入ってた(´;ω;`)
鍵もかかってた…(´;ω;`)
もうちょっと我慢する…(´;ω;`)」
3分後。
「人が出たのは見えなかったけど、見てなかっただけかも(・ε・`*)
もう一回行ってみるね(・・;!」
40秒後。
「やっぱりまだ入ってた…(´;ω;`)
もうちょっと我慢する(´;ω;`)」
5分後。
「やっぱりおかしいよっヽ(`д´;)ノ
倒れてるのかもしれないっヽ(`д´;)ノ
ドンドンしてくるっヽ(`д´;)ノ !」
40秒後。
「ドンドンしても反応ない(´;ω;`)
あそこトイレじゃないのかもしれない(´;ω;`)」
「んーー。。
店員に聞いてみたら?トイレどこ?って。
あ。
んと…これ見せればわかると思う」
あくまでも自分で立つ気が無い私は、指差し会話帳を母に手渡す。
40秒後。
「トイレって聞いたらパスポートって言われたっ( ゚д゚;)!!
わたし、パスポートどこに入れてたっけ( ゚д゚;)!?」
トイレにパスポート?
んなアホな。
「わたし。
パスポート。
パスポート…( ゚д゚;)」
もう。。
それ、あなたがパスポート。。
「ちょっと待って。落ち着いて。
本当にパスポート出せって言われた?」
「パスポートって言ってたもんっ( ゚д゚;)!!」
「嘘だ。」
「・・・。
じゃあ何っ(´;ω;`)!!」
・・・・・・。
「すぐもう一回行って、はっきりゆっくり『パスコード?』って言ってごらん」
「ぱすこーど!!
わがったぁぁぁ(´;ω;`)!」
5分後。
「えへへっ(*´∀`*)♪
あの兄ちゃんが隣のビルのドアの前で壁についてるパカッてやつ開けてねっ(*´∀`*)
ぴっぴっぴって何か押したらドア開いてね(*´∀`*)
そしたらトイレなのっ(*´∀`*)!
パスポートじゃ無かったわっ(*´∀`*)!
パスコードって暗証番号じゃんっ(*´∀`*)!!」
そんな、韓国語を覚えるよりもっともーっと前に、基本的な英会話を覚えなきゃならない母の韓国デビューのお話。
この取材旅行の壮大なレポートを私が書き上げるのは、まだまだ先のお話。
旅先でパスポートを出せと言われても、安易に出してはいけないというお話。
そして必ず何かイベントを立ち上げてくれる、いつも愉快な母の武勇伝がまたひとつ。